幸せに輝け

2016.1.14(木曜)愛する息子は『親の意向だから』と言って自死を選びました。
生きるとはなんなんでしょうか?

声が聞こえるかな

息子の遺したメッセージを読むと、それが頭の中で息子の声に変換されて聞こえる。


息子に問いかけたら、息子が答えそうな言葉が息子の声で聞こえる。


「おはようございます」

「今日のメニューは何?」

「何時に出来る」

「母さん、寝てなかったんや」

「声が大きくない?うるさくないかなぁ」

最近話した言葉、ベスト5。

仲間とチャットすると、どうしても盛り上がると声が大きくなってねぇ、母さんに「兄ちゃん、もう少し音搾ってやね」って言われるから気にしてくれてたもんね。


今日は、息子が亡くなってから初めてハンバーグを作る。娘と昨日の買い物で決めた。

本当は作りたくないんだ。だって1番喜ぶあなたが居ないから。


「このハンバーグは母さんの手作りやろ。味で分かるよ。」

「今日はハンバーグなんや♬」

「やっぱり美味いなぁ。」


供えたら、また言ってくれる?兄ちゃん。

まだ2週間

「大丈夫?」


この2週間、言われない日が無いなぁと娘と話した。

娘は学校で、私は職場でだが。

「はい、大丈夫です」と、私も娘も答える。


「本当に大丈夫?」

次は本当が付いてくる。本当にって…。


「あ〜、まぁ、大丈夫です」って答える。

だって、本当が分からないから。


遺影…写真を見れば、「死んだんだな」と思い、何も考えることがなければテレビを見てるはずなのに、変わり果てた息子と対面した病院の救命室のシーンが浮かぶ。

あの苦しかったであろうと想像出来る顔が浮かぶ。続けて「母親様の意向なんで」って文字が声に変換されて流れる。


大丈夫な訳無いです。正直、狂って泣き叫んで、後を追いたい。捕まえて「何やってんだ!」って怒りたい。


そして抱きしめたい。


中学2年の冬に、初めて家出して知らない人に「もう19時やで。親が心配してるから早く帰れよ。」って言われたから帰って来たって言ってた日のように。

「僕はもう出て行きます。探さないで下さい」ってメモを残して出て行ったよね。あの頃は携帯を持たせてないから、ノートの端に書いて破って置いてたね。今は、私が探せないようにSNSに残したんだけどね。


でもまた、見つけれたけどね。ごめんね、読まれたくなかったよね。

だって、母さんに怒られるのが、母さんに情けなく思われるのが嫌だったんだよね。


ごめんね。また嫌がることして。

でも、この2週間。毎日、あなたの声を、答えを探してるよ。母さんの意向と言いながら、あなたが本当は最期に、本当は何を思いながら旅立ったのか。


毎日、毎日、考えてるよ。

まだ、2週間だからね。まだまだ考えて行くよ。

通学路

出勤する時、必ず息子が通ったであろう通学路を通る。仕事中も嫌でも通る。


不登校から、通信制の高校に行き、スクーリングの時に自転車で走ったであろう道を。


ここを寒くても走ったんだろうな。

昼過ぎまで寝てたから、レポート出すために走ったんだろうな。

11月の時、私が就活してる時に「今から動けますか?」ってライン来たけど、私は市外に居て無理だったんだよね。電話したら、「大丈夫。今、自転車で行ってるから。」って、息を切らした感じで電話に出たよね。


毎日、毎日、毎日。

あなたが走ってた道を見つめる。その時は、あなたの遺したメッセージが走馬灯のようにグルグル回る。

運転に集中してないんだろうね。ハッと意識が戻ってくる感じがする。


事故しちゃうかもね。したら会える?


ダメだよね。妹が頑張って乗り越えようとしてるのに、本当に妹が立ち直れないよね。

本当は一緒に住みたいのに、「父さんが気になるから」って、あの家で頑張ってるんだよ。


私も通学路を通って悲しくなってちゃダメだね。


さぁ、今日も走るよ。

今日もあなたを忘れず、泣かず、走るからね。