逃げてるかな、母さん
娘が風邪を引き、学校からお迎えの電話があった。
仕事を早退して迎えに行き、病院に行ったら風邪の初期症状で喉が少し腫れていただけで済んだ。
病院に連れていくために、前の家に保険証を取りに行くと、ケースの引き出しに息子の写真があった。
凛々しい顔で組み体操をする息子。
日差しが眩しいのか少し眼を細めている。
亡くなる前の息子とは顔つきが違うように見えた。
「この頃は楽しかったんやろね。」
「格好いいよね、にいちゃん。」
娘と話す。
確かに格好良い顔だ。
希望に満ち溢れた顔だ。
俺はまだやるぜ‼︎って物語っている顔だ。
「この約6年後に、君は自ら消える道を選んだんだよ。」
写真の息子に話しかける。
私の言葉に傷ついたのが最大の原因なのかは分からないが、親の意向と遺して消えたんだ。
でもね、幸輝。
理由はそれだけかい?
最近、母さんは逃げの理由にされた気もするんだ。そう思うのは母さんの逃げかな?
互いに逃げてるのかな?
何だか写真が濡れてきたよ。愚痴るのは止めようかね、幸輝。
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