親の思い
長兄が昨夜出張帰りに実家に泊まり、兄嫁が今日実家に来た。
息子の墓参りのために。
有難いと思った。わざわざ県外に住む長兄が、出張とは言え実家に立ち寄り、兄嫁がわざわざ休みに帰省し息子の墓参りをしてくれたのだから。
私達夫婦と長兄夫婦とで息子に会いに行った。
兄は手を合わしながら溜息をついた。
「何だかなぁ…やな。」と。
そのあと、一緒に昼食を取った。兄が言う。
「生真面目なやつほど、先を読めるやつほど、今の時代は生きにくい。すべてとは言わないが、社会が若者を育てる力が無くなっているんよ。」
息子は先を読み、1人でもがきあがいて死んだのか?兄が言うのが正しいのだろうか?
約束を守らず1度も金を払わないのを、「約束やろ。バイトして少しずつ払うのは。そんなに逃げてたら、死んで保険金で払うしかなくなるよ。」と言った、何年も前の言葉のみを根に持っていたのだろうか?親の意向だとつぶやいて去った息子は、先見の明があると言うのだろうか?
私には正直分からない。私の何気ない言葉が死に追いやったのか。息子が先を読み死に急いだのか。私は何気ないと思っても、息子には辛く悲しい言葉だったのだろうか?
事実は息子がこの世から消えたことだけ。
誰が何と言おうが、息子は消えた。
そして私は毎日息子を思っては泣き、時には息子に腹を立てることもありながら、いろんな思いを胸に抱いては、愛する我が子を思い生きる。
何があろうが、どんなことを思おうが、離ればなれになっても、親は我が子を守りたいと願いながら生きている。
この世でも、あちらの世界でも…どこに居ようとも。
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