優しさとは。
月曜から仕事復帰するために出勤した。
本当は行きたくなかった。今の職場は12月から働き出した。入りたてで、こんな事を起こしてしまった。不幸は突然やってくるから、自分が逆の立場でも相手に「迷惑を掛けやがって」などとは思わない。でも、掛けてしまったと思う者からは、そういう気持ちにはなれない。
しかし、生きてる以上逃げれない。逃げてはいけない。
とにかく普通に行こう。
いや、普通って何?どれが普通?
頭の中がグチャグチャになりながら、大きく息を吸い込み「お疲れ様です。」とドアを開けた。
想像通り、同僚達が「あっ…」って雰囲気を出している。そうでしょうね。
私は頭を下げながら、「ご迷惑をお掛けしました。また、息子へありがとうございました。」と言いながら課長の席に向かう。
「大変やったね。大丈夫?」と言ってくださる方や、黙って頭を下げ返してくださる方など様々。課長や上司は、「大丈夫?」と優しい表情で言って下さった。私は涙を堪え「大丈夫です。ありがとうございます。」と返し月曜の準備を始めた。それからは、息子の亡くなる前の状態。みんな何もなかったように仕事の話をしてくれる。表情だけは優しさ溢れて、私に無言で気遣ってくれている。
私は改めて職場に、人に恵まれたと思った。
これが前の職場ならば、絶対に無理だったと言える。葬儀に心配して駆け付けたり、花を送ってくれた同僚もいたので全員とは言わないが、ここまで全員が入りたての私に対して気遣ってくれるとは思っていなかった。さりげない人の優しさに、息子のおかげで触れることが出来た。
何て声掛ければ良いか、あまり分からない私に対してどうすれば良いか、ましてや息子が自死。私が逆の立場ならば接し方に悩んだだろう。
下衆な考えをしたら、中には困ってる人もいると思う。これからの個々と話した時に、何気に何かを感じてしまうかも知れない。
でも、旦那に話したら「職場に恵まれたね。」言われた。
だから、私は素直に有難く感じよう。
そして私も人に優しくなりたい。
「だったら、俺にも優しくしてや」
そう言いたい?息子よ。
じゃあ母さんは言い返すよ。
「誰が何て言っても、私はあなたを甘えさせ過ぎたし、好き勝手させたよ。あなたが嫌な顔をするから言わなかった言葉は山ほどあるよ。自分だけが苦しいとは言わせないよ。」とね。
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