幸せに輝け

2016.1.14(木曜)愛する息子は『親の意向だから』と言って自死を選びました。
生きるとはなんなんでしょうか?

自分の常識、他人の非常識

息子が生前、私に話した格言とでも言うべき言葉に、「自分の常識、他人の非常識」がある。


よく子供が「◯◯くんちは、買ってもらうやと」「◯◯ちゃんは、旅行に行くんやと」など、とにかく自分が欲しいものがあると他の家を出してはせがむ。その度に、「だったら、◯◯さんちの子供になれば」と言っていた。


こう言う話は、どこの家庭でもあると思う。

子供が成長するにあたり、少しずつ大人の会話ができ始める。まだまだ子供は中学生なので、本当の大人の会話ではないかも知れないが、ある程度は出来る。


どんな話の時に出たのかは定かではないが、多分私が職場で責任者になり、スタッフのシフトをまとめる話をした時に出たと思う。みんな年末年始は休みたい。私の仕事は、その時は訪問介護なので休みはない。介護を必要としている方には生活するために欠かせないサービスなのだ。だがスタッフ達は「実家に帰るので1週間休みます」「孫が来るから休みたい」と希望を出す。

それも当然の話。誰だって休みたい。だけど、みんなでカバーしなければ休めないし、サービスも提供出来ない。利用者の方でも「正月に掃除してなくても死なないから、家族のために休んでね」と言ってくださる方も入れば「正月でも掃除してもらわないかん」と言われる方もいる。これも当然の話だ。


その話をしながら「みんなが言うことは分かるけど、常識的に考えようやなぁ。みんな休みたいやん。だったら、休んでも構わないから正月明けには休んでない人の代わりに働け!って母さんは思うんよね。常勤が働けばいいって考えが分からん。パートならば好き勝手に働いて構わないんやろか?母さんも一応パートやけど責任者になってしまったからにはパートも常勤も関係ないと思うんやけど。」と話した。


「母さん。自分の常識、他人の非常識よ。自分の考えが必ず正しい訳でなく、受け取る人からは母さんの考えは非常識なんよ。」

「そうかぁ。じゃあ、自分がこれは常識やろ!と思っても当てはまらないんや。じゃあ、常識って何やろうなぁ。」

「それは分からんなぁ。母さんがよく言うやん。他所は他所、うちはうち。みんな考えが違うんよ。」「確かにな。どうせダメなら揉めるんが面倒やけん、母さん自分が黙ってする」「俺も」「要らんとこが似たよね。先々読みすぎて、もういいやって言わずに終わるやろ」「そうそう!」


改めて思い出した。息子は誰よりも先々読みすぎて抱え込む。頭の中では、たくさん言葉を吐いていても口からは出さない。不登校になった時も、歯痒さからメガネをへし折ったっけ。机の引き出しに残ってたよ、整理したら。


全て何が常識で、何が非常識かは分からない。

でもね、やはりある程度の決まり事はあるんだよ。耳にするでしょ、一般常識。


その中にはあると思うよ。自分で死んではダメだと。


でも、苦しんだあなたには「非常識」になるんでしょうけどね。