蓋は出来ない
友達から◯◯さんの息子の名前は△△くん?と聞かれたが、知らないから知らないと答えていた。
すると、違う友達から「◯◯さんの息子の動画の話を知ってる?」と聞かれた。
また私は知らないから知らないと答えた。
「探したら見つかるよ。あれで高校受験も難しいみたいよ。見た人らが実名や学校名もアップしてるみたいだから。」
家に帰り、娘に調べてもらった。
顔は服で半分隠れているが、分かる人には分かる映り方だった。それは盗みを働く動画だった。
ポツリと旦那が言った。
「ブーメランが戻って刺さったんよ。」
ブーメラン?
娘と首を傾げた。
あっ!そう言うことか。
息子が亡くなってから仕事復帰した日に、私はチームの人にこう言われた。
「辛いやろ。うちの一人息子がそうなったら、私ならば生きていけん。」
そう言った人の息子だ。
ブーメランかぁ。
人に何気に言った言葉が、どれだけ人を傷つけるかわからない。
しかし、◯◯さんを見たら本当に息子が盗みを働いて警察に呼ばれた風には見えない。普通だし、逆に元気である。
いや、かえって明るく振舞っているのかもしれない。
私は◯◯さんに声をかける気はない。
友達に言われなければ知らない話だから。
知らなくても良い話であっても、人の口には蓋が出来ない。ましてやネットに動画アップしたら…蓋が出来ないどころではないが。
にいちゃん。
あなたの死は、未だ知らせてません。
母さんは知らせないのは間違ってない気がしました。
人の口には蓋が出来ないのだから。
これ以上、あなたを傷つけたくないから。
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