幸せに輝け

2016.1.14(木曜)愛する息子は『親の意向だから』と言って自死を選びました。
生きるとはなんなんでしょうか?

お子さんは何人いますか?

「お子さんは何人いらっしゃいますか?」

「2人います。長男は大阪にいて、次男は◯病院の副院長です。」

「そうですか。長男さんは県外やから、あまり会えませんが次男さんが近いから助かりますね。」

「はい。次男の嫁さんが病院とか連れて行ってくれますしね。」


私の仕事の中での会話の一部分です。

介護の世界でのアセスメントでは、その人の家族構成なども聞き取りします。


この方は認知症を患っています。

ご主人が本人が別室に行ったすぐに言いました。


「あれは嘘です。子供は1人しか居ません。」

「えっ?1人しか居ないんですか?」

「はい。医者をしてる子だけです。」

「じゃあ、大阪にいると言うのは?」

「あれは作話ですか?」

「いえ20年前に亡くなってます。」

「じゃあ作話ではないですね。2人居るのは間違いない…居たのは間違いないですね。」

「居たのは間違いないですが、子供は1人しか居ません。」


この私達が生きてる現世には1人しか居ないかも知れませんが、子供を産んだ母親からしたら、子供は2人だと私は思うのですが、このご主人は違うといい、妻が作話したと言う。


「あれは、おかしなことを言うんですわ。」


おかしなことを言うてはないかと、私は思った。だが、私の考えを押すわけにはいかないので、他の話を進めた。これは木曜日の話。


昨日の金曜日。会社にご主人から電話が来た。

「あのう、妻が子供を2人いますと答えたじゃないですか。あれは嘘ですから。子供は1人しか居ませんからね。ああやって変なことを言うんです。本当のことを言っておかないといけないと思って、お電話しました。」


はぁ…


受話器を口元から少し離して、ため息をついてしまった。


「あのう、私は間違ってはないと思います。確かに亡くなられてますが、子供は2人居ましたよね。」

「居ました。でも事故で亡くしてますから。」

「確かに亡くなられてますが、母親からしたら2人産んでますから作話ではないですよ。これが、娘が居て助けてくれますなどと言えば作話ですがね。」

「じゃあ、子供は2人って言って構わないんですか?確かに2人産んでますが…。」

「私は子供さんは何人いますか?と尋ねただけですから、亡くなっていようが生きていようが、産んでますから大丈夫です。産んだ人数は?とは問わないですから。私の問い方が悪かったですね。」


私の問い方が悪かったのかも知れない。

ふと、そう思った。何となくだが…。


私が同じ質問を受けたら、私もやはり2人だと言います。


だって、愛おしい子供ですから。


しかし、私には2ヶ月で流産した子供がいる。


息子と娘の間に…。あの子は、男の子か女の子か判らないし、この世には生まれられなかった。あの子はカウントに入らないのだろうか。


生きてる…この世に産まれた…それだけではないのかも知れないと、何だか複雑になってしまった、今日この頃です。