幸せに輝け

2016.1.14(木曜)愛する息子は『親の意向だから』と言って自死を選びました。
生きるとはなんなんでしょうか?

背番号10

今日は晩御飯をオムライスにしました。


兄ちゃん、好きだったよね。オムライス。

あの卵の上に何を書くか…これが楽しみだったよね。


小さい頃は、名前を書いていたよね。


今日は「10」にしたよ。


10。背番号10。兄ちゃんのミニバス時代のユニフォーム番号。


1番好きな番号だよね。


「あっ、もう兄ちゃんの晩御飯出来てる。てか、10やん。私も大好きな番号や。絶対にビブス番号10しか選ばんし」


そうやね。娘も大好き10番。兄ちゃんが活躍した10番やもんね。


兄ちゃん、そちらでもバスケはしてるんかなぁ。背が高くないから、リングしたは負けるんよね。ガタイのいい子には飛ばされてさぁ。でも、兄ちゃんの独特のミドルシュート。あれは弧を描いて、スパーンってネットを揺らして決まるんよね。


シュートを打ってから、マンガみたいにポーズが止まってて綺麗だよね。


兄ちゃんのシュート。

見たいなぁ。

瞳は探し求める

昨日、大学の入学式があった。

爽やかな春の日差しの中に、真新しいスーツをきた子供たちが、会場前に溢れていた。


今日、昨日入学式を済ませた新入生が同じように溢れていた。昨日と打って変わって、土砂降りの雨の中で私服の新入生が溢れている。



息子は…いないかなぁ。


いない…よな。


いたら…あの保護者のように私もスーツかな。


いないかなぁ。


いないかなぁ。


涙目で探すこの気持ちに腹が立つ。虚しい気持ちが溢れるのに。見つからなくて、見つからないのが当たり前なのに。


なのに探し求める瞳を取り外したい。


探し求めるこの気持ちを埋めたい。


消し去りたい。

苦手な声

滋賀に住む、次兄の長男が高校生になったので気持ちばかりのお祝いを送ったので、電話がかかってきた。


先ずは次兄と話し、次に甥っ子。

何年も会っていない甥っ子の声が、声変わりしていた。

「ありがとうございます。また遊びに来て下さい。」

「わざわざ電話ありがとうね。高校生活頑張ってね。」と返した。


電話を切ろうとしたら、次兄の嫁、義理姉にバトンタッチ。私、この人が苦手。


「櫻雅ちゃん、わざわざありがとうな。」

「少しですみません。気持ちだけで。」

「あぁ。気持ちだけでええんよ。」

「……。まだ朝とか寒かったりするから、身体気をつけて下さい。」

「櫻雅ちゃんも身体気をつけてな。そしたら。」

「はい、失礼します。」


ブチッと、切れた。必ず先に切るんだよね。それもバッサリ。構わないんやけど。


気持ちの入ってない声と言うか…

淡々としてると言うか…


とにかく苦手。


息子を亡くしたからといって、人のお祝いを無視してはあかんなって送った。


本心は、祝いたくない。

特に今は祝いたくない。

人の道に外れてると言われても、本心はそんなもんさ。


妬み、嫉み。正直、Maxですよ。でも、踏ん張って隠してる。笑って祝ってます。


だからか、相手の言葉に気持ちがないと余計に苛立つ。


酒量が増えるよ、兄ちゃん。

飲み過ぎたら、「また、コタツで寝ましたか?」って、いつもの様に笑って下さい。