幸せに輝け

2016.1.14(木曜)愛する息子は『親の意向だから』と言って自死を選びました。
生きるとはなんなんでしょうか?

話せば良かったね

おはよう、兄ちゃん。

今日は風が強いよ。


兄ちゃん、雨が降り出した。母さん、今降ると困るんだ。どうにかしてや。


兄ちゃん、兄ちゃん、兄ちゃん。


気付けば亡くなった息子に頼み事してる。


兄ちゃん、兄ちゃん、兄ちゃんって呼んでる。


生きてる時に、そんなに呼んだかなぁ。

パソコンに忙しいから、あまり呼んでないね。

妹が学校や部活や友達の愚痴を言うから聞いてやらねばと思って、兄ちゃんとはたまに「学校は大丈夫?レポート出してる?日曜日は何時から?」って最低限の話ばかりだったね。


あとは卒業後のこと。

だって、兄ちゃん。

「レポート出してるよ」「試験の申し込みを出したよ」って言うから。

「本当に出したん?」「大丈夫よ、出したよ。」「日曜日は?」「10日は無いよ。17日。」「分かった、17日やね。」


17日。

あるわけ無いんだよ。14日が後期試験申し込み締切なんだから、そこまでにレポートとスクーリングが済んでないとダメなんだから。


死んだ日に気付いたんだ。

そのあと、兄ちゃんが12日に、学校にどうにかならないか問い合わせたことを知ったんだ。

これは死んでからだけどね。


兄ちゃん。

もっともっと、呼べば良かったね。


兄ちゃん。

もっと話せば良かったね。


兄ちゃん。

今からじゃ、遅いよね、遅すぎたね。

新しい習慣

娘とネットの話をしていたら、「弟を自殺で亡くした人のブログ見たんよ。」と言い出した。


「その人はね、自分の会社で弟が一緒に働いてたけど、弟さんは辞めたいって相談するんよ。でも、お兄さんやけん、それじゃあダメだよみたいに言ったらさぁ、翌日やったかなぁ、弟さんは自殺してしまって、お兄さんが言うんじゃなかったって、凄く悔やんでてね…」と説明してくれた。


私は、そうなんやねって相槌をうった。

本当は、私も読んでたんだけどね。


「そんなことになるなんて思ってないから、お兄さんからしたら言うた言葉は普通なんよね。」


誰しも、傷つけようなんて言ってない。

ただ、「頑張れ!」「踏ん張れ!」って、応援のメッセージが入ってるだけなんだ。


それが相手を励ますか追い込むかの違い。

相手の取り方次第なんだ。

だから言葉は難しい。あと同じ言葉でも、イントネーションとか、表情とかプラスされる。


意味を読み取るのは文章も同じだ。文字が羅列してるだけだから、読み方次第で印象が変わる。


!マークがあれば強調してることは分かるが、声のように音で感じれないから難しい。


「本当はまだやりたいことはあるけれども!」


息子は、どの強さでメッセージを遺したんだろう。


また、今日も息子のメッセージを読み返してみよう。頭の中が漆黒の闇に包まれ、胸が苦しくなり吐き気がする。だけど、1日1回は息子の苦しみを感じなくては、亡くなった実感がしないから。亡くなった実感を感じないと、自分の中の「悲しい」という感情が狂って、逆に冷静に生きていけない。そんな気がして止まない。


決して自虐ではない。これからも生きて行くための、私の新しい習慣。

車の中

風邪でダウンしてた娘は、今日から学校に行く。自転車通学だが、一昨日早退したため私が迎えに行き車で帰ったので、もう少ししたら私が連れて行く。


息子は通信制の高校だったので、スクーリングが火曜日と日曜日にあった。火曜日は私が働いてるから自転車で行くが、日曜日は必ず私が送迎していた。


車の中では、必ず何か話をしていた。

お笑いの話や、私の仕事の話、息子のネット仲間の話…将来の話。


亡くなる前は卒業後の生活の話が多かった気がする。車の免許を取った方が良いが、今は同級生が多いから、少し時期をずらして6月くらいにした方が良くない?あんまりみんなに会いたくないやろ…とか。でも、原付くらいないと移動に大変やろ…とか。


仕事は朝から働くのが良いけど、ネット仲間と夜中までゲームするなら起きれないんやろ?ならば夕方からのでもいいし…。

毎日、平日働くのが良いけど週に2日くらいからのバイトでもいいんよ。とにかく、自分で稼ぐことをしないとね。約束は高校からバイトするって話やったろ。パソコン代は必ず返さないかんよ。母さんが出したんじゃなくて、◯◯さん(今の旦那)が払ってるやろ。


いつまでも母さんは生きてないんやけん、自分で稼ぐことをしないと生きていけないよ。


働いて自分で生きる。

出来るところから、始めてみる。

好きなことだけでは生きて行けない。

逃げてばかりでは、ダメなんだよ。


親ならば、誰しも言うと思ったんだけどな。


娘とも車の中で話す。部活や授業のこと、友達や先生とのこと。でも最近の母さんは、一緒だけど言葉を発する前に飲み込む。

追い詰めないかと。


そう思いながら、今日も娘と車に乗る。